咳を伴う不整脈と心臓疾患について
不整脈と咳は一見関係がないようにも思えますが、意外な関係があります。
一般的に、咳とは肺の中に異物が混入した場合にその異物を出すために無意識に起きる現象です。
しかし心臓の血管の中で不整脈が頻発して起きた場合、肺に酸素が届きにくくなるため肺の周りの筋肉が軽く痙攣を起こし咳を誘発する場合があります。心臓が体全体に血液を送る役割を担っていますが、この機能に障害が起きた場合は体に酸素と栄養が回らなくなってしまいます。
すると、各臓器が早く血液を送るように信号を送ります。
それが、咳や不整脈の原因となってしまう場合があります。
その他、心臓喘息という疾患があります。急性心不全の一種で、脈拍が異常に早くなる不整脈が誘因となって起こる場合があります。
心臓のポンプ機能が低下し、肺にうまく血液が送られず酸素を取り込む肺胞がうっ血し、肺水腫が起こることによって咳が出るといった状態になります。
症状が酷くなると、全身に血液が回りにくくなるため皮膚や唇が紫色になり、手足が冷え、呼吸がしにくくなるチアノーゼと呼ばれる状態になります。この疾患は、場合によっては急激に症状の悪化が進む恐れがあるため、緊急な救命措置が必要になってきます。
この症状になった場合は、ぜーぜーと咳き込み方が尋常ではない状態になるので、そのような症状を起こしている人がいる場合は、呼吸困難になるので半座位(上半身を起こした状態)にする方が楽になります。仰向けに寝かせると悪化してしまいますので、注意が必要です。
早急に、救急車での搬送を依頼することが望ましいです。
このように咳と不整脈は関係ないように思われがちですが、その関係性には深い物があります。
咳が伴う不整脈には心臓疾患の可能性もあるので、不整脈の持病がある方で咳が長引くようでしたら専門医に診察してもらうことをお勧めします。